THE MODELはもう古い? 営業・マーケティングの新たな潮流を探る

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「THE MODEL」とは何か?基礎のおさらい

「THE MODEL」とは、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスの4つの役割を分業し、顧客獲得から継続利用までのプロセスを最適化する営業モデルです。SaaS企業を中心に浸透し、再現性の高い売上づくりを実現できる点が支持されています。営業組織の効率化やスケールを実現する基礎フレームワークとして、多くの企業が導入しています。

起源と定義

THE MODELの起源は、アメリカのSaaS企業が採用した「営業プロセスの分業化」にあります。従来の一人の営業担当がリード獲得からクロージング、さらにはアフターフォローまで担う“一気通貫型”では、担当者のスキルに依存し、再現性・生産性に課題がありました。この課題を解決するため、マーケティングがリードを創出し、インサイドセールスが商談化、フィールドセールスが受注、カスタマーサクセスが継続利用を支援する明確な役割分担が確立されました。

THE MODELとは、この一連の流れを数値で管理し、最適化するための営業・マーケティング基盤を指します。特にSaaSやサブスクリプションモデルの普及とともに、“科学する営業”の象徴として浸透していきました。

営業/マーケティング分業モデルの構造

THE MODELの最大の特徴は、顧客獲得から契約後の継続利用までを一つの“ファネル”として捉え、各プロセスに専任チームを配置する分業型の構造にあります。

まずマーケティングがリードを獲得し、インサイドセールスが検証・育成を行い、温度の高い見込み客をフィールドセールスへ引き渡します。商談を担当するフィールドセールスは受注に集中でき、契約後はカスタマーサクセスチームがオンボーディング・活用支援・アップセルに取り組む流れです。

この構造により、各プロセスのKPIが明確になり、ボトルネックの特定・改善が迅速に行える点が大きなメリットです。結果として、営業活動の効率化、LTV最大化、再現性ある成長モデルの構築が可能になります。

このモデルが注目された背景

THE MODELが多くの企業で注目を集めた背景には、サブスクリプション型ビジネスの急拡大と、営業活動の高度なデータドリブン化があります。

従来の“属人的な営業”では安定した売上づくりが難しく、企業の成長スピードに追いつけない課題が浮き彫りになりました。その中で、プロセスを細分化し、数値で管理するTHE MODELは、再現性・効率性・スケーラビリティを同時に満たすフレームワークとして評価されました。

また、日本でもSaaS企業の増加とともに営業組織の専門性が求められ、インサイドセールスやカスタマーサクセスといった新職種が登場。組織づくりの教科書としてTHE MODELが受け入れられたことが普及の要因です。特に「売上を仕組み化したい」「属人化を脱却したい」という企業にとって、導入メリットが明確であったことも注目度を高めました。

なぜ「THE MODELだけではいけない」のか?古さ・限界の4つの理由

THE MODELは、営業・マーケティングの分業化を進める上で優れたフレームワークですが、現代の市場環境では“THE MODELだけ”に依存することが限界になりつつあります。顧客行動の変化、AIによる自動化、価値観の多様化などにより、従来型のファネル運用では機会損失が発生するケースも増えています。今の組織には、THE MODELの強みを踏まえつつ、時代に合わせたアップデートが求められています。

理由1:顧客行動・情報収集プロセスの変化

THE MODELが普及した当時と比べ、顧客の情報収集プロセスは大きく変化しています。SNSや動画、コミュニティなど、顧客が接触するチャネルは多様化し、マーケティング主導で一方向にリードを獲得するだけでは不十分になりました。

また、見込み客は営業と接触する前に自ら情報を集め、比較検討を終えているケースが多く、従来の「リード → 商談 → 受注」の線形ファネルが実態と乖離しています。その結果、THE MODELの分業設計に基づくKPIだけでは顧客の意思決定を正しく捉えられず、機会を見逃す可能性が高まります。

今の時代には、顧客主導のジャーニーを前提にした組織づくりや、検索・SNS・口コミによる“自己完結型”の購買行動へ対応する新しいアプローチが不可欠です。

理由2:AI/パーソナライズ/自動化がもたらす影響

AIや自動化ツールの進化により、従来THE MODELで分業されていた多くのプロセスが高度に効率化されました。例えばインサイドセールスの初期接触、ナーチャリングメール、顧客データ分析、スコアリングなどはAIが高精度で代替でき、単純な分業モデルに依存する必要性が薄れています。

また、顧客ごとに最適な提案やタイミングを判断する“パーソナライズ営業”が主流となり、ファネルを分断するよりも、一気通貫で顧客を理解する重要性が増しています。AIによって役割間の境界が曖昧になり、THE MODELの「プロセスを分ける」思想が必ずしも最適とは言えない状況になっているのです。これにより、データ統合や顧客理解を中心に据えた新しい営業設計が求められています。

理由3:価値観の変容と待ちの営業の難しさ

現代の顧客は「売り込まれたくない」「自分で選びたい」という価値観を強く持っています。その結果、THE MODELが前提とする「インバウンドでリードを待つ」アプローチだけでは、成長速度が頭打ちになるケースが増えています。特に競争が激化する市場では、待ちの営業だけでは機会損失が大きく、顧客との接点を自ら創り出すアウトバウンド戦略やコミュニティ形成、SNSでの関係構築などが必要不可欠です。

また、顧客は提供価値や体験を重視するようになり、分業体制によって情報が分断されると、顧客体験の質が低下するリスクもあります。こうした価値観の変化により、THE MODELの原型そのままでは顧客に寄り添った組織運営が難しくなっています。

理由4:モデル設計時の前提が今通用しない

THE MODELは、SaaS黎明期の成長市場を前提に設計されたモデルであり、当時はリード獲得コストが低く、インバウンド中心で十分に商談が創出できる環境でした。しかし現在は市場が成熟し、競合が増え、顧客の選択肢も増加しています。同じ手法を続けても思うようにリードが増えず、KPI管理も機能しにくい状況です。

また、分業によって役割が固定化されすぎると、プロセスが硬直し、変化の激しい市場に対応できない「部分最適」の状態になりやすい点も課題です。さらに、契約後の価値提供が重視される今のSaaS環境では、部署ごとに分断されたTHE MODEL型組織は顧客の全体像を捉えづらく、LTV最大化につながりにくいという限界があります。

このように、設計時の前提が崩れたことで、そのままのTHE MODELが通用しなくなっています。

実務現場で起きている「THE MODEL超え」の動き

実務の最前線では、THE MODELをそのまま運用するのではなく、自社の課題に合わせて柔軟に進化させる「THE MODEL超え」の動きが広がっています。特にSaaSやスタートアップ領域では、分業だけに依存しないクロスファンクション型の組織設計や、新しい営業モデルが登場。顧客理解を軸にした協働体制や、契約後の成功を重視した新たな役割分担が求められています。

SaaS/スタートアップでの組織進化(例:カスタマーサクセス=CSの新役割)

SaaSやスタートアップ領域では、THE MODELが前提とする「役割分担」をより発展させた組織進化が生まれています。

特にカスタマーサクセス(CS)は、従来の“解約防止・サポート”にとどまらず、プロダクト改善、アップセル戦略、顧客データのハブ機能など、多様な役割を担う中心ポジションへと変化しています。プロダクトチームやマーケティングとの連携を通じ、顧客の成功体験を事業成長に直結させる“グロースエンジン”として機能する企業も増加。

営業部門だけでなく、組織全体の意思決定に関わるケースも多く、THE MODELで想定されていた役割構造を大きく超える進化が起きています。スタートアップでは特に、固定された分業よりも柔軟な役割設計が重視されており、CSが事業の中心を担う動きはその象徴となっています。

分業を超えた「協働」「クロスファンクション」型アプローチ

THE MODELは営業プロセスの分業化を前提としますが、現代の顧客行動は複雑で、単純な分業では対応しきれない課題が増えています。そのため多くの企業で、マーケ・インサイドセールス・セールス・CSが一つの“チーム”として継続的に協働するクロスファンクション型アプローチが採用されています。

例えば、1つのアカウントをマーケ含む複数部門でモニタリングし、顧客の温度感や利用状況を共有しながら進める手法が一般化。分業によって生じがちな情報断絶を防ぎ、顧客体験を途切れさせない点が大きなメリットです。

また、OKRやアカウントプランを共通化し、顧客視点での“共同成果”を評価する動きも広がっています。こうした横断型のコラボレーションは、THE MODELが生まれた当時の前提を大きく超える新しい営業組織のスタンダードになりつつあります。

新モデル例:「エスカレーターモデル」「ブリッジセールス」など

THE MODELを補完・発展させる新しい営業モデルも台頭しています。

代表的な例が「エスカレーターモデル」で、顧客の熱量に合わせて担当者が“段階的に”引き継ぐのではなく、チーム全体で顧客を押し上げるように支援する手法です。これにより、役割の境界が曖昧になっても顧客が迷うことなく次のステップへ進めるメリットがあります。

もう一つの「ブリッジセールス」は、インサイドセールスとフィールドセールスの間に“橋渡し役”を設け、プロセス断絶を防ぐ新アプローチ。商談化の精度向上や、顧客の課題把握を深める効果があります。さらに、CS主導のグロースモデルや、プロダクト主導の「PLG(Product-Led Growth)」型も普及しており、THE MODELを前提としたファネル構造だけでは捉えきれない多様な組織設計が広がっています。

これらの新モデルは、顧客中心の営業体制を実現する上で、THE MODELの枠を超えた柔軟な発想として採用が進んでいます。

次世代モデルに向けて何をすべきか?今すぐ取り組むべき2〜3の戦略

THE MODELが限界を迎えつつある今、企業が次世代型の営業・マーケティングモデルへ移行するためには、顧客起点での体験設計、データ活用、自動化による最適化が欠かせません。特に顧客行動が複雑化し、市場競争が激化する中では、分業モデルの“枠”にとらわれず、継続的な関係構築や精度の高い意思決定ができる仕組みづくりが求められています。

戦略1:継続的な認知提供と顧客体験設計

次世代モデルでは、顧客が営業と接触する前から自社の価値を理解し、興味を持ち続けてもらうための“継続的な認知提供”が重要です。検索・SNS・動画・コミュニティなど接点は多様化しているため、単発のリード獲得ではなく、長期的に情報を届け続ける仕組みが必要になります。

また、顧客体験(CX)をファネルごとに設計するのではなく、全体の一連の流れとして捉えることがポイント。認知から契約後まで一貫したコミュニケーションが提供されることで、顧客は“自然と選びたくなる”状態へ近づきます。

さらに、CSやマーケティングが契約前から顧客課題を共有し、ニーズに応じたコンテンツやサポートを提供することで、THE MODELを超えた顧客中心の体験が実現します。

戦略2:顧客行動に応じた自動化・最適化の仕組み構築

次世代の営業・マーケティングでは、顧客行動に応じて最適なタイミングで接触できる自動化の仕組みが欠かせません。従来のTHE MODELのように、プロセスごとに分業し手動で管理する方法では、スピードと精度が追いつかなくなっています。

具体的には、行動データをトリガーにしたナーチャリング、スコアリングに基づく優先度付け、顧客ごとの最適な提案内容の自動生成などが挙げられます。これにより、営業は「反応のないリスト」ではなく「タイミングが合う見込み客」に集中でき、商談化率や受注率の向上が期待できます。

また、自動化は担当者の負荷を減らすだけでなく、顧客にとっても一貫した体験につながり、機械的に感じられないコミュニケーションが実現します。

戦略3:データ活用・顧客解像度向上を軸に据える

THE MODEL超えを実現するための最重要戦略が「データ活用を軸にした顧客解像度の向上」です。分業が前提だと部門ごとにデータが分断されがちですが、次世代モデルでは顧客情報を一元化し、組織全体で顧客像を深く理解することが求められます。

アクセスログ、利用履歴、商談内容、顧客の反応などを統合することで、顧客が今何を求めているのか、どこでつまずいているのかを正確に把握できます。その上で、マーケ・営業・CSが共通のKPIを持ち、同じ顧客ストーリーをもとに施策を実行することで、分断されない滑らかな体験が生まれます。データドリブンで顧客理解を深める企業ほど、アップセル・解約防止・契約前の価値訴求まで、あらゆる成果が向上しています。

「THE MODEL」を補完/代替するための組織設計・カルチャーづくり

THE MODELをそのまま踏襲するだけでは、変化の激しい市場環境に対応できません。重要なのは、THE MODELの長所を活かしつつ、顧客中心の価値創造ができる組織へアップデートすることです。そのためには、部門間の壁を取り除く仕組み、成果指標の見直し、事業フェーズに応じた柔軟な組織形態など、カルチャーと設計の両面から改革する必要があります。

部門間の壁をなくすための設計ポイント

THE MODEL型の分業は効率性を高める一方、マーケ・インサイドセールス・セールス・CSの間に壁が生まれやすい構造でもあります。この壁を取り除くためには、まず“顧客中心”を共通言語として浸透させ、すべての部門が同じゴールを目指せる状態を作ることが重要です。

さらに、部門を横断したOKR設計や、アカウント単位で共同のプランを作成する仕組みが効果的です。加えて、定例MTGの共有ではなく、リアルタイムで情報連携できるコラボレーション環境を整えることで、分業による断絶を防げます。

また、1つの顧客に対して複数部門が関わる「伴走チーム」を作ることで、顧客体験を途切れさせない運営が可能になります。このように役割の境界を曖昧にしながら協働を促す組織設計が、THE MODELの限界を補完する鍵となります。

KPI・指標設計の見直し:単純KPIから価値創造指標へ

THE MODELの運用では、MQL数や商談数、受注数といった“プロセスごとのKPI”が中心になりがちです。しかしこれらの単純KPIだけでは、顧客の本質的な価値創造を捉えきれません。次世代モデルでは、顧客体験の質やLTV向上につながる指標を組み込み、事業全体の成長を測る視点が不可欠です。

例えば、オンボーディング完了率、顧客の活用度、プロダクト利用の深さ、コミュニティ参加率、アップセル可能性など、顧客の成功を起点とした指標が有効です。

また、部門ごとに異なるKPIを追うのではなく、マーケ・営業・CSが共通で追う“北極星指標(North Star Metric)”を持つことで、組織全体が同じ方向を向くことができます。このようにKPI設計を価値創造軸に移行することが、THE MODELをアップデートする重要なステップです。

成長期・成熟期それぞれに応じた組織形態の提示

THE MODELを補完・代替する組織づくりでは、企業のフェーズに応じて最適な形態を選ぶことが重要です。成長期の企業では、スピード重視の一気通貫型やクロスファンクション型が有効で、個人が複数役割を横断しながら顧客理解を深める体制がフィットします。特に“伴走型チーム”や“ミニビジネスユニット”の運営は変化対応力を高めます。

一方、成熟期の企業では、役割分担を明確にしつつ、部門横断の価値創造チームを設けるハイブリッド型が適しています。また、プロダクト主導のPLGモデルやCS主導のグロースチームを導入し、既存顧客の価値最大化を軸に組織を設計する動きも増えています。

つまり、THE MODELを超える組織とは“固定化ではなく状況に応じて変化できる組織”であり、フェーズごとの柔軟な再設計こそが次世代の競争力となります。

ケーススタディ:急成長企業が実践する“THE MODEL超え”の組織

急成長企業の多くは、THE MODELをただ運用するのではなく、自社の成長フェーズや顧客行動に合わせて柔軟に進化させています。特にSaaS企業ではCSと営業の統合、非SaaS業界では営業プロセスのデジタル化が進み、部門横断の組織体制が成果につながっています。実際の企業事例を見ることで、THE MODEL超えの成功ポイントと陥りやすい失敗を学ぶことができます。

事例1:SaaS企業におけるCSと営業の統合

SaaS企業では、THE MODEL型の分業モデルを踏まえつつも、CS(カスタマーサクセス)と営業を統合する動きが広がっています。理由は、契約後の活用度やオンボーディングがLTVに直結し、営業活動の成果を大きく左右するためです。

ある急成長SaaS企業では、従来別部門だったインサイドセールス・フィールドセールス・CSを「アカウントチーム」として一つに統合。顧客ごとに共通の成果指標(利用活性度、オンボーディング完了率、アップセル期待値など)を持ち、クロスファンクションで協働する体制をつくりました。

その結果、解約率が大幅に低下し、契約後の成長余地を見逃さない「流れのある営業」が確立されました。THE MODELの分業思想を土台にしながら、顧客中心の価値創造へシフトした好例と言えます。

事例2:製造・非SaaS業界での営業変革

THE MODELはSaaS領域で広まったフレームワークですが、製造業や非SaaS業界でも“THE MODEL超え”の動きは進んでいます。

ある製造業企業では、従来の属人的な営業スタイルから脱却するため、インサイドセールスの導入とデジタル接点の強化を実施。さらに、現場の技術者・営業・マーケティングを一つのチームとして組成し、顧客の課題ヒアリング〜提案〜アフターサービスまでを一気通貫で支援する体制に刷新しました。

その結果、顧客のニーズを精緻に捉えた技術提案が可能となり、受注率の向上と既存顧客の深耕につながりました。非SaaSであっても、部門横断の組織と顧客中心の体験設計を取り入れることで、THE MODELを補完し、業績に直結する変革が実現しています。

成功・失敗から学ぶポイント

THE MODEL超えを実践する企業の成功例を見ると、共通して「顧客理解の深さ」「部門間の協働」「成果指標の一貫性」が整備されています。成功企業は、自社の顧客行動を正しく把握したうえで組織やKPIを再設計し、部門横断で顧客を支える文化を醸成しています。

一方で、失敗例では“THE MODELの形だけ”を導入し、分業の目的を理解しないまま役割を細分化した結果、顧客体験が分断されてしまうケースが多く見られます。また、KPIが部門ごとにバラバラで、協働が起きず部分最適に陥る点も典型的な失敗パターンです。

大切なのは、THE MODELに固執するのではなく、自社のフェーズ・顧客行動・人材構造に合わせた柔軟なアップデートを行うことです。成功と失敗の両方から学ぶことで、次世代型の強い組織づくりが実現します。

まとめ:なぜ今「THE MODELを超える」ことが重要なのか?

市場環境が大きく変化した今、THE MODELを“そのまま”運用するだけでは成長が頭打ちになります。顧客行動の複雑化、AIの進化、価値観の多様化が進む中で、分業を前提とした従来型の運用は限界を迎えています。だからこそ、THE MODELの本質を活かしながら、自社に最適化した次世代の営業・マーケティング体制へ進化することが、競争力を高める上で欠かせません。

モデルの限界を認めつつ進化を選ぶ理由

THE MODELは優れたフレームワークである一方、誕生時の前提に依存した“古さ”も抱えています。顧客行動は非線形化し、SNS・コミュニティ・動画など多様なチャネルで自己完結的に情報収集するようになりました。さらに、AIや自動化の普及により、THE MODELが想定していた役割分担はそのままでは最適化されません。

こうした変化を無視して従来の型に固執すると、顧客体験が分断され、成長のボトルネックになる可能性が高まります。

しかしTHE MODELの本質である「プロセスの可視化」と「再現性の確保」は今も有効です。重要なのは、限界を認めたうえで、自社のフェーズや顧客行動に合わせて柔軟に進化させる姿勢です。時代に合ったアップデートを行うことで、組織全体の成果を最大化できます。

明日から動き出すための3つのアクション

THE MODELを超えた次世代モデルを実現するために、企業が“明日から”着手できるアクションは大きく3つあります。

  • 1つ目は、顧客体験を基点にしたファネルの再設計です。認知〜オンボーディング〜活用まで、一貫した体験が提供できているかを見直します。
  • 2つ目は、データ統合と顧客解像度の向上。マーケ・営業・CSのデータを一元化し、“顧客の今”を正しく捉える仕組みづくりが不可欠です。
  • 3つ目は、部門横断の協働体制の構築。共有KPI、伴走チーム、クロスファンクションMTGなど、壁を取り払う仕組みを導入することが効果的です。

これらを段階的に進めることで、THE MODELに依存しない、しなやかな成長モデルへと進化できます。

今後営業・マーケティング組織に求められる姿

これからの営業・マーケティング組織に求められるのは、「分業か一気通貫か」といった二択ではありません。重要なのは、環境変化に応じて柔軟に形を変えられるアップデータブルな組織であることです。部門ごとの成果ではなく、顧客の成功を中心に判断し、マーケ・営業・CSが一体となって価値を届ける動的な組織が求められます。

また、AI活用・自動化・データ統合が前提となる中で、人の役割はより「顧客理解」「課題解決」「信頼構築」へシフトします。THE MODELが築いた基礎を活かしながらも、その枠を超えて顧客中心の価値創造に取り組む組織こそが、今後の競争環境で長期的な成長を実現します。

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